中学受験の算数で多くの子どもたちがつまずくのが「旅人算」

「なんで引き算するの?」「なんで足し算するの?」「追いつくって、どういうこと?」
お子さんからこんな質問を受けて、うまく説明できなかった経験はありませんか?
実は、旅人算は図でイメージできれば、驚くほどすんなり理解できる単元なんです。
この記事では、図解をたっぷり使って、旅人算の考え方を基礎から徹底解説します。
旅人算とは? 5つのパターンを知ろう
旅人算とは、2人以上の人が移動するときの、距離・速さ・時間を求める問題です。
大きく分けて5つのパターンがあります:
- 追いつき算 🏃♂️💨
後ろから速い人が遅い人を追いかける問題 - 出会い算 👋
向かい合って進んで出会う問題 - 反向算 (出会い算の反対向き)👋
同じ場所から反対方向に離れていく問題 - 円周上(同じ方向) 🔄
円周上を同じ方向に進む問題 - 円周上(反対方向) 🔄
円周上を反対方向に進む問題
それぞれのパターンで使う公式が違うので、まずはパターンを見分けることが大切です。
つまずきポイント①「追いつき算」で混乱する理由
なぜ「速さの差」を使うの?
多くの子どもが最初につまずくのがここです。
例題:
A君は分速80m、B君は分速60mで同じ方向に進んでいます。A君がB君の400m後ろからスタートすると、何分後に追いつきますか?
よくある間違い
「400 ÷ 80 = 5分」と計算してしまう
これはA君だけの速さで計算しているので間違いです。
正しい考え方
追いかけっこをイメージしてください。
スタート時点:
🏃♂️A君(速い) ← 400m離れている → 🚶♂️B君(遅い)
1分後:
🏃♂️A君は80m進む
🚶♂️B君は60m進む
→ 距離は 80-60 = 20m 縮まる!

💡 速さの差で考える追いつき算!
A君は1分で80m、B君は60m進むから、1分ごとに20mずつ距離が縮まるよ
A君とB君の距離が縮まる速さは、2人の速さの差なんです。
速さの差 = 80 – 60 = 20m/分
つまり、1分ごとに20mずつ距離が縮まります。
400mの差を縮めるには:
400 ÷ 20 = 20分
公式
追いつき算: 時間 = 距離 ÷ 速さの差
つまずきポイント②「出会い算」は足し算?引き算?
なぜ「速さの和」を使うの?
例題:
1400m離れた2地点から、A君は分速80m、B君は分速60mで向かい合って進みます。何分後に出会いますか?
図で理解しよう
スタート時点:
🏃♂️A君 ← 1400m離れている → 🏃♀️B君
1分後:
A君は右に80m進む →
← B君は左に60m進む
合わせて 80+60 = 140m 縮まる!
向かい合って進むので、2人の速さを足した速さで距離が縮まります。
速さの和 = 80 + 60 = 140m/分
1400mの距離が縮まるのは:
1400 ÷ 140 = 10分後
公式
出会い算: 時間 = 距離 ÷ 速さの和
つまずきポイント③「反向算」の考え方
同じ場所からスタートするパターン
例題:
同じ地点からA君は分速80m、B君は分速60mで反対方向に進みます。10分後、2人の間の距離は何mですか?
図で理解しよう
スタート時点:
🏃♂️A君 📍 🏃♀️B君
10分後:
🏃♂️(左に800m) 📍 (右に600m)🏃♀️
合わせて 800+600 = 1400m 離れている

反対方向に進むので、2人が離れる速さは速さの和です。
速さの和 = 80 + 60 = 140m/分
10分後の距離は:
140 × 10 = 1400m
公式
反向算: 距離 = 速さの和 × 時間
つまずきポイント④「円周上・同じ方向」の問題
ぐるぐる回る問題の考え方
例題:
1周1200mの池の周りを、A君は分速80m、B君は分速60mで同じ方向に進みます。次に出会うのは何分後ですか?
図で理解しよう
スタート時点:
🏃♂️A君
↓
●─────●
● 📍 ● ← 1周1200mの池
● ●
● ●
●─────●
↑
🚶♂️B君
同じ地点からスタート!
時間が経つと...
A君の方が速いから、どんどん差が開いていく
→ 1周分(1200m)差がついたら、また同じ場所で出会う!
考え方のポイント
同じ方向に進むので、速い人が1周多く進んだときに追いつきます。
つまり、1200m(1周分)の差を縮めるのと同じです。
「1周多く進む」ってどういうこと?
想像してみてください。2人が同じ場所からスタートして、同じ方向にぐるぐる回ります。
- A君が池を2周したとき、B君はまだ1周と少ししか進んでいません
- A君がB君よりちょうど1周分(1200m)多く進んだら、また同じ場所に戻ってきます
- これが「次に出会う」瞬間です!
速さの差 = 80 – 60 = 20m/分
1200m縮めるのにかかる時間:
1200 ÷ 20 = 60分後
公式
円周上(同じ方向): 時間 = 円周 ÷ 速さの差
つまずきポイント⑤「円周上・反対方向」の問題
向かい合って進む円周上の問題
例題:
1周1200mの池の周りを、A君は分速80m、B君は分速60mで反対方向に進みます。次に出会うのは何分後ですか?
図で理解しよう
スタート時点:
🏃♂️A君(時計回り)
↓
●─────●
● 📍 ● ← 1周1200mの池
● ●
● ●
●─────●
↑
🚶♂️B君(反時計回り)
同じ地点から反対方向にスタート!
1分後:
🏃♂️A君は右に80m進む
🏃♀️B君は左に60m進む
→ 2人の間の距離は 80+60 = 140m 縮まる
考え方のポイント
反対方向に進むので、向かい合って近づいていくイメージです。
- A君とB君は合わせて毎分140mずつ近づく
- 池を半周ずつ進んで出会うわけではありません
- 2人が進んだ距離の合計が1200m(池1周分)になったときに出会います
速さの和 = 80 + 60 = 140m/分
1200mの距離を2人で縮めるのにかかる時間:
1200 ÷ 140 = 約8.6分後
公式
円周上(反対方向): 時間 = 円周 ÷ 速さの和
円周上の2パターンまとめ
パターン | 進む方向 | 使う公式 | 覚え方 |
---|---|---|---|
同じ方向 | → → | 円周 ÷ 速さの差 | 追いかけっこ |
反対方向 | → ← | 円周 ÷ 速さの和 | 向かい合う |
見分けるコツ
- 「同じ方向」「追いつく」→ 速さの差
- 「反対方向」「向かい合って」「出会う」→ 速さの和
旅人算を得意にする3つのコツ
1. まず図を描く
文章を読んだら、必ず図を描きましょう。矢印で進む方向を書くだけでも理解が深まります。
2. 「速さの差」か「速さの和」かを見極める
- 同じ方向 → 速さの差
- 向かい合う・反対方向 → 速さの和
この判断ができれば、ほぼ正解です。
3. たくさん練習する
旅人算はパターン問題なので、数をこなせば必ず得意になります!
まとめ|旅人算は「図」と「パターン」で攻略
旅人算のポイントをおさらいします:
4つのパターン
- 追いつき算 → 速さの差
- 出会い算 → 速さの和
- 反向算 → 速さの和
- 円周上 → 速さの差
解き方のコツ
- 必ず図を描く
- 「差」か「和」かを判断する
- パターンを覚える
旅人算は、一度理解すれば得点源になる単元です。
この記事と無料ツールを使って、しっかり練習していきましょう!
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💭 ちょっとお断りを…
旅人算、少しでも「分かった!」が増えたら嬉しいです!
私、算数を教えるプロでも何でもなく、完全に趣味で問題やツールを作っている素人です。
なので、こんなことがあっても優しく見守ってください 💦
- 「この説明、ちょっと変かも?」
- 「計算、合ってる?」
- 「ツール、動かないんだけど…」
でも、一生懸命作っているので、もし何か気づいたことがあればコメントで教えていただけると嬉しいです! ✨
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